なまえと祖父と花

自分の名前のこと、小学生のころ思ったのは古い名前みたいで、嫌だと思った。

「○○子」という名前ではなかったけれども、好きではなかった。地味な名前だと思っていた。祖父が考えたからしょうがないと思っていた。

けれど最近はしっくりきていて、祖父は習字の先生もしていたものだから、漢字の意味もよくわかっているんだなと思った。

 

「芳」

 

芳しい(かんばしい)

香りが良い

芳醇 香りが発散する

 

品があるなと思った。私自身、花は数えられる程度しか知らないけれど、歩いているときによく花に目が付いたり、花を見ると気持ちが潤う。祖父母は花がとても好きで、花をよく庭にやって育てていた。

 

名前のような品がある人間になれているかはわからないけれど、そんな人になりたい。

そうなっていきたい。

 

私の中で変わらないことは、

 

相変わらず季節に敏感にいたい

 

私にぴったりな名前なんじゃないかなって思った。名前ってすごいね。

自分の名前が好きって言えるようになって良かった。

 

祖父とは物心ついて私自身も大きくなって、あまり話さなくなった。何を考えているか分からなかった。寡黙でよく本を読んでいた祖父、習字は特に厳しかった。そこからあまり祖父のことをよく思えなかった。(私は褒められて伸びるタイプだから。)

祖父のことを思い出してみた。

映画も好きで、絵の模写も上手だった。

海外にスケッチに行ったこともあったそうだ。

たまに私は、読んでいる漫画を差し出して、これ描いて!と、よくリクエストをした。描いてもらった絵は大事にファイルにしまっていた。

 

話はそれたけど、名前をつけてくれて有難う。中学生のころぐらいから話さなくなっちゃったけど、今、そういうふうに思えたことが良かった。

 

最終的な理想の生活は仕事帰りにフラッと花を買って、かわいい花瓶に挿して「かわいいから買ってきちゃった」なんて仕事から帰ってきた好きな人に、話すような女性になりたい。

 

今日は花柄のシャツを着て父が運転する車に揺られて過ごすゴールデンウィーク